ストレッチ専門店FCとマシンフィットネスジム・パーソナルトレーニング・ヨガスタジオ・マッサージサロンを比較!
ストレッチ専門店や類似業態に潜むFC開業リスクとは?
開業リスクをヒト(人材)・モノ(物件)・カネ(資金)の視点で分析!ストレッチ専門店は「リラクゼーション(癒し)」業態と「フィットネス(運動)」の中間的な業態です。さらに「ビューティー(美容)」の業態とも言えます。
例えば、リラクゼーションに求める「コリ・疲れの解消」は継続的なストレッチによる血行促進で叶えられます。フィットネス・ジムに求める「運動不足解消」には、他動的な運動を行っているので、自分では動かしませんが「してもらう運動」を受けていることになります。筋バランスを整えることは姿勢改善につながることからエステサロンに求めるような「見ため」の美しさにも貢献し、代謝アップ効果からダイエットにも貢献できます。加えて、特有のニーズは「柔軟性を身につけたい」というもので、不調等は特になくても「開脚や前屈ができるようになりたい」「背中で手が組めるようになりたい」など「柔らかいカラダに対する憧れ(コンプレックス)」というニーズです。このニーズで「ヨガスタジオ」に通われている方も多いと思います。
このように「専門店」といっても、ストレッチが貢献できるニーズが幅広いため、様々な顧客ニーズをキャッチできている、というのが実態です。となると、類似する業態は「マッサージサロン」に限らず「パーソナルフィットネスジム」「マシンフィットネスジム」「ヨガスタジオ」と幅広くなります。
もう一つ、ストレチックスは「中高年者の健康増進」をコンセプトにしているため、高齢者のご利用が多いのですが、そうなると「介護予防サービス」である「リハビリデイサービス」も類似業態になってきますが、介護事業は介護保険による事業であり、自費サービスの業態と大きく異なってくるので一律に比較できず、別の機会で比較してみたいと思います。
では、ストレッチ専門店と類似する業態のフランチャイズ(FC)開業におけるメリット・デメリットを比較していきましょう。※ここで書いているのは「ストレッチ専門店ストレチックス」FC事業との類似業態FCのよくあるモデルとの比較であって、すべてのストレッチ専門店FCのことや、特定の類似業態FCのことを表しているのではありません。
●ストレッチ専門店ストレチックス(S)と、低価格リラクゼーションサロン(マッサージ)とのフランチャイズ(FC)事業比較
(総投資額・店舗規模)S:440万、7坪 /マッサージ:600万、20坪
(標準月商・利益)S:125万、40万 /マッサージ:200万、60万
(ロイヤリティ)S:月固定8万円 /マッサージ:月間売上の8%
(月単価)S:1セッション5500円×月3回=客単価16500円 /マッサージ:1セッション4000円×月3回=客単価12000円
(月客数)S:月セッション数230回、客数80人 /マッサージ:月セッション数500回、客数166人
・赤字リスク:ストレチックスの場合、標準月商に対して本部費用は6.4%となりますが、仮に月商が100万に下がった場合は8%。マッサージサロンは売上の大小を問わず8%なので、月商200万なら16万の本部費用が毎月発生します。逆に売上が100万だった場合は8万円でストレチックスと同水準になりますが、物件規模が20坪と大きく損益分岐点売上は100万円を超えると思われるため、赤字になります。ストレチックスの損益分岐点は85万円なので、その分リスクが少ないです。
・客数:ストレチックスは80名、マッサージサロンは166名となっています。ストレッチ専門店は低価格マッサージサロンに比べれば、単価も高く、業態認知も低いため、新規客数は少ないですので、ストレッチ専門店で20坪等の大型店をつくるのは、よほどの好立地など良い条件が整わなければ、損益分岐点が上がりリスクが高まりますので、ベッド2~3台程度のできるだけ小型店舗のほうがリスク低減につながり、早期黒字化につながります。(といっても回数券販売のため、初月~翌月には黒字化しているのがほとんどです)
以上、総括しますと
・ストレッチ専門店はマッサージサロンに比べて業態認知がまだ低いが、小規模・小投資店舗を開業→高稼働率になったら次店舗・・と、早期多店舗展開することを推奨しているため、投資回収リスクが低い。いったん出店したら損益分岐点売上は確定してしまうため、できるだけ小型店舗でリスクヘッジしたほうがよい。
・マッサージサロンに比べて客単価が高いため、正社員トレーナー1人あたり40名程度の固定客で、月売上60万、稼働率8割近い状態になるため短期収益化が図れる
●ストレッチ専門店ストレチックス(S)と、パーソナルトレーニングジム(ジム)とのフランチャイズ(FC)事業比較
(総投資額・店舗規模)S:440万(うち研修費30万※2名分)、7坪 /ジム:550万(うち研修費120万※人数不明)、15坪
(標準月商・利益)S:125万、40万 /ジム:150万、95万
(ロイヤリティ)S:月固定8万円 /ジム:月固定15万円
(月単価)S:1セッション5500円×月3回=客単価16500円 /ジム:1セッション15000円×月6回=客単価9万円
(月客数)S:月セッション数230回、客数80人 /ジム:月セッション数125回、客数20人
・ストレチックスの月あたり客単価16500円に対して、パーソナルトレーニングジムは9万円と高額。これを「ストレッチ専門店で同じ売上を上げるには5倍以上の集客が必要」とみるか「パーソナルトレーニングジムのような高額商品(2カ月、週2回で20~30万)を買えるお客さんは少ないので、集客面・離客リスク面(既存客依存度が高いので、離客時に全体売上に大きく影響する)で困難」とみるかは、考えどころです。一般的には、高額商品になればなるほど、1人あたりへの依存度が高くなるので、売上安定度は低くなります。また、20~30万の商品を買える方がを集めるとなると、住宅街の小規模店舗では難しく、それなりの立地での開業を求められるため、物件取得費や家賃はおのずと高額になる。
・研修費を見る限り、パーソナルトレーニングジムのほうが技術習得難易度が高い。となると、人材依存度も高くなるうえ、もしこのパーソナルトレーニングジムのFCが「配属トレーナーは本部研修必須」としていたなら、既存社員の離職による入替が発生する都度、毎回120万もの研修費(加えて、遠方の場合は交通費、滞在費)が発生するため、潜在コストが大きく負担になる。
以上、総括しますと、
・ストレッチ専門店に比べてパーソナルトレーニングジムは高額商品のため「立地依存度」が高いうえ、「人材依存度、人材に係るコストが高い」と言えます。ストレチックスの場合は、この点を鑑み「本部研修を履修しており、本部が認めた人材が、その自社内に限り現地で研修することができる」としているため、潜在コスト(入替に発生する研修費、宿泊費、滞在費※ストレチックスの場合、1人3週間なので研修費15万+宿泊滞在費15万程度の30万程度)は気にしなくてよくなります。
・単価が安過ぎず・高すぎず、田舎すぎず・都会すぎずの設定が難しく、立地選定ノウハウ、商品設計ノウハウが必要になってきます。ストレチックスの場合は、さまざまな立地での出店、さまざまな商品展開をいままで行ってきましたので、リスクヘッジできるノウハウを保有しています。特に「人材リスクをヘッジしながら店舗展開」するなら、ストレッチ専門店のほうがよいです。
●ストレッチ専門店ストレチックス(S)と、マシンフィットネスジム(フィットネス)とのフランチャイズ(FC)事業比較
(総投資額・店舗規模)S:440万(うち設備費50万・内外装工事50万)、7坪 /フィットネス:8000万(うち設備費2000万・内外装工事3500万)、100坪
(標準月商・利益・投資回収期間)S:125万、40万、約1年 /フィットネス:600万、200万、約3年)
(ロイヤリティ)S:月固定8万円 /フィットネス:月固定7.5万円
(月単価)S:1セッション5500円×月3回=客単価16500円 /フィットネス:会費8000円
(月客数)S:月セッション数230回、客数80人 /フィットネス:会員750人
・マシンフィットネスジムの総投資額は8000~1億円であり、もはやストレッチ専門店との比較対象にあたらないほど高額。その点は逆に「誰でも参入できない」事業であるため、マシンフィットネスジムにとっては有利だが、加速的な出店は見込めない。
・マシンフィットネスジムは「装置ビジネス」であるため、人材リスクは低いが、圧倒的に投資リスクが高い。ストレッチ専門店とは別のビジネスにあたる。
以上、総括すると、
・ストレッチ専門店は人材にコストと手間が最もかかるが、人材採用・教育に高い情熱を持って取り組める方なら、かなりの低投資・高収益事業となります。マシンフィットネスジムはその点で「人材リスクが極めて低い」ので、人材に関わる手間暇を最小化したいと考えるなら、マシンフィットネスジムのような装置ビジネスを検討すべき。ただし、「立地依存度」が高いので、物件確定した時点で行く末が決まる、といっても過言ではありません。その点、その他のパーソナルサービスを提供している店なら「人材交代」で打開することは可能です。
●ストレッチ専門店ストレチックス(S)と、少人数制ヨガスタジオ(ヨガ)とのフランチャイズ(FC)事業比較
(総投資額・店舗規模)S:440万(うち研修費30万※2名分)、7坪 /ヨガ:2000万(うち研修費100万円※人数不明)、50坪
(標準月商・利益・投資回収期間)S:125万、40万、約1年 /ヨガ:250万、90万、約2年)
(ロイヤリティ)S:月固定8万円 /ヨガ:月間売上の6%
(月単価)S:1セッション5500円×月3回=客単価16500円 /ヨガ:会費13000円
(月客数)S:月セッション数230回、客数80人 /ヨガ:会員200人
・投資回収期間:総投資額÷月次営業利益で算出します。ストレチックスは約1年、このヨガスタジオは約2年となりますが、一般に投資回収期間が短い方がリスクが少ないです。「投資回収できていない」状態の店舗は、キャッシュフロー上の月次利益はあっても、累計で「損」をしている状態です。そのため、投資回収し終わって「上がった利益がまるまる利益になる」という状態に早く持っていくことが開業後に求められますが、その設定期間が長いほど、回収しきれないリスクも高まってきます。
・ヨガスタジオはパーソナルジムと同様に研修費が高額で「人材リスク」が高いです。しかし、パーソナルジムに比べて「人材依存度」は低く、グループレッスンやセミパーソナル(インストラクター1に対し、2~3名を対応)の形式は「完全パーソナル」よりは有利です。パーソナルジムもストレッチ専門店も「完全パーソナル」であるがために、トレーナー離職とともに、離客のリスクは一定程度ありますが、代替要員を採用・育成するハードルは、パーソナルジムほど高くはないのがsの特徴です。
以上、総括しますと
・ストレチックスは1店舗あたりの事業規模は小さいが、ヨガスタジオの投資額2000万と比較するとストレチックスなら4店舗出店できる。同じ2000万の投資で比較すると、ストレチックスの4店舗累計で月商500万、利益160万となり、ヨガスタジオ1店舗と比較して売上2倍、利益とも1.8倍となる。「投資リスクをヘッジしながら、投資効率を追求していく」ならストレッチ専門店のほうがよいです。
・・・ということでそれぞれと事業性の比較をしてみましたが、ここで比較している事業すべてが「健康増進」に貢献するビジネスであり、この産業が拡大すればするほど、お客様・地域(国)・事業者の「三方よし」が拡大していきますから、皆様にはまず「健康増進ビジネスへの参入」をお勧めいたします。そのうえで、自分の置かれた状況のなかで「どの事業が好きか」「どこまでリスクをとれるか」を検討したうえで、新規事業を成功させていただきたいと考えております。事業への情熱無く「儲かりそうだから」「リスクが低いから」という選び方は、必ずうまくいきません。情熱がある前提で、取れるリスクを最大限とっていくことをおススメいたします。
ストレッチ専門店ストレチックス・フランチャイズ(FC)の事業優位性は、上記のとおりですが、パーソナルサービスであるがゆえに「人材依存度」はある程度高く、そこにリスクが潜在されています。しかし、代替要員の採用・育成難易度は「ほかの業態に比べて」高くないことと、私達ストレチックスの場合は、逆に「がっつり人材に依存して、その人材と長期的な信頼関係を保つ」ことが事業成功のキーだと考えています。よって、人材に関わりつづける、人の成長を支援することが苦手・不得意な方にはおススメできない事業、ということになります。
もちろんフランチャイズ(FC)ですから、適性人材の採用・育成方法は継続的にサポートいたしますが、あくまでFCオーナーの事業・人材への情熱が肝心です。
▼「ストレッチ専門店ストレチックス」フランチャイズ(FC)チェーン本部: ㈱バリード・ジャパン 代表 山口晃二プロフィール
新潟県新潟市出身。地元広告代理店にて求人情報誌の広告営業、東京の大手商社系コンサル会社にてフランチャイズ(FC)コンサルタントとして勤め、数々のトップセールスを記録。2005年、著書出版を機に独立起業し、フランチャイズ(FC)コンサルティング、起業コンサルティング事業を開始。米国で最も権威のあるフランチャイズ(FC)ビジネス情報誌「Franchise Times」の日本版ライセンス権を取得、(株)フランチャイズタイムズ・ジャパン代表(当時)として、アメリカのパートナー企業と連携しながら、国内海外のフランチャイズ(FC)ビジネス情報の配信・マッチング事業を手掛ける。
国内で多数のフランチャイズ(FC)本部と、フランチャイズ(FC)加盟したい企業・個人とのマッチングビジネスを手掛けるなかで、2008年に介護予防サービス事業である「リハビリデイサービス」チェーン本部構築、加盟店開発の業務を受託。当時2店舗から約4年間で+100店舗への拡大を牽引、担当役員として関与。
2014年8月、「ストレッチ専門店ストレチックス」を自社業態として新規開業。フランチャイズ(FC)チェーン本部として現在7店舗(直営5、FC2)を展開中。地域住民のフリータイム利用はもちろん、ストレッチングの有効性を知るドクター、看護師など医療介護従事者の利用も多く「可動域(ROM:ロム)アップ」「コリ疲れ解消」に全力で貢献しています。
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